それは一版同時多色刷りから始まった、高柳裕の版画の世界

版画家 高柳裕

初期には色鮮やかでやや饒舌体だった「読んでも楽しい版画」が、やがて寡黙でモノトーンに近くなる。エレメントが減ることで増えていく余白、偶然生まれたエンボス(空摺り)、物理化学的な目に見えない動き、これらの要素を取り入れていくことで画面は次第に自由な空間を獲得し、見るものを白い宇宙へと誘う。 次々に独創性に富んだ世界を表出する高柳裕の、時代とともに変遷する秘められた思考を散策する。


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